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About

Nippon おからプロジェクトとは

 

おからは、豆腐の副産物として日本で大量に生成され、一昔前は、家庭料理の定番としても市民権を得ていました。しかし、昭和40年代に全国に5万店以上あった豆腐店は、2022年には、その10分の1以下の5000店ほどにまで激減してしまい、おからを身近で入手する場所が減少しました。さらに食生活の変化、保存の困難性などの理由で、おからの使途は肥料・飼料が7割、廃棄が2割、その他工業的利用がほとんどで、現在、食用として使われているのは、おから全体のわずか1%程度でしかありません。しかし、近年、おからを瞬間乾燥粉砕する技術が発達し、おからパウダーという形で保存性の高い食材としての販売がされるようになり、ダイエットブームと、大手食品会社からのおからパウダー発売によって人気に火がつき、昨今ではどのスーパーなどでも簡単に入手することができるようになってきました。また、SDGsへの取り組みから、環境面での配慮という点においても、おからの活用について意義を見出す企業が増え、単なる一過性のブームではなく、おからのイメージもここ数年で向上し、食材としての認識度も向上してきています。

おからは、豆腐を作るときの搾り「かす」で、栄養などないと勘違いしている方もいるかもしれません。しかし、実はおからは、豊富な量のタンパク質や食物繊維、女性にとって特に大切な働きをする大豆イソフラボン、その他の栄養素も多く含み、また環境面から考えても、優れた食材と言うことができます。
おからを廃棄することなく、食材として活用することに高い意義があることを、多くの方に知っていただくために、2015年に本プロジェクトは任意の協会としてスタートしました。本プロジェクトでは、代表高橋が20年来料理研究家として活動してきた中で培ってきた、多方面からの有識者の助言を得ながら、国内外での講演、料理教室講師、新聞雑誌の記事やレシピの執筆、テレビラジオwebなどメディア出演、おから商品の販売において企業様へのアドバイス、おからを使った地域商品の開発・プロデュースなど、多方面にておからを活用するための活動をしています。

雪のような「おから」と出会いました。

もちろん、おからは知っていましたし母の調理した卯の花も食べて育ちました。しかし、上野毛のお豆腐店「にとう」さんのおからは純白で、サラサラ。雪のような柔らかで軽い食感、そしてかすかなお豆腐の味。これがおから?と思うような、今まで私が考えていたおからと全く違うものだったのです。こんな美しいものが美味しくないわけがない、という気持ちから、おからについていろいろ市食べてみると、素晴らしい栄養価、そして使われ方が、あまりにももったいない・・・ということがわかり、それから、おからを使った料理のレシピ作りをはじめ、多くの方におからの素晴らしさを知って使ってもらいたいというライフワークが始まりました。

今、おからの使い道は
飼料>肥料>廃棄>食用

日本全国で1年間に53億丁以上作られる豆腐から58万トンものおからが生成されます。そのうち飼料となるものが65%、肥料となるものが25%、食用とされるものは数年前の10倍以上にはなりましたが、それでも全体の1〜2%程度、1万トン程度でしかありません。そしてそれ以上の3万トン〜5万トンが廃棄されているのが現状です。以前は、街のお豆腐店でおからを入手する事が容易にできましたが、約50年前には5万軒あった全国のお豆腐店が2019年には5700軒にまで減少し、商店街も年々消滅。

おからも栄養を多く含む「食材」です。

今や豆腐は日本国内だけでなく世界中で「TOFU」として広く使われるようになってきました。世界各国で豆腐や豆乳が生産されれば、そこでは必ずおからが生成されます。しかし多くのおからが廃棄されているのが現状です。おからは単なる搾りかすと思われがちですが、実は、たんぱく質や食物繊維などの栄養分を多く含む、非常に優れた食材なのです。しかも安価。そして産業廃棄物として処分されている事を考えると、環境面からも食用にする事はプラスになります。それにも関わらず、食用とされている分がごくわずかしかないという現状は、あまりにももったいなく、残念なことです。

おからで美味しく健康に!

この問題を解決するためには、消費者がもっと積極的におからを食べられるよう、おからの栄養について理解を深めるための食育活動と、今までの概念を崩す、全く新しいイメージの様々なおからの食べ方を知ってもらうことが重要だと考えます。そこで私が主宰する「Nipponおからプロジェクト」では、皆様に新しいおからの食べ方、使い方の提案をしています。今現在、NONNON cooking salonを始め、地方自治体や小学校から大学など教育機関での食育講座、食品メーカー・小売での商品開発の協力、飲食店でのメニュー開発、自治体や各種団体、企業内での講演、セミナーなど幅広く普及活動をしています。
(2017年11月に「Nipponおからプロジェクト」と名称を変更しました。旧名「Nipponおから普及プロジェクト」)

Nipponおからプロジェクト 協会構成メンバー

代表
高橋典子(料理研究家/おから料理研究家)
協会員
石島邦彦(フレンチレストランプティマルシェ 元オーナーシェフ) 奥田直久(環境省 前自然環境局長) 小原まみ子(亀田総合病院 医師/腎臓高血圧内科部長) 鈴野弘子(東京農業大学応用生物科学部栄養科学科教授) 鶴岡佳則(農林水産省 食育担当) 萩原知美(ファームイン・さぎ山 前代表)
顧問
高橋謙(弁護士)
事務局
宮園智彩(管理栄養士)
高橋 典子 Noriko Takahashi
Nipponおからプロジェクト代表 料理研究家/おから料理研究家
NONNON cooking salon主宰

ロンドン、NYでの数年間の海外生活で様々な料理を学び、子育てを経て2002年から料理教室を開始するとともに、ライフワークとしておからの活用に取り組んでいる。地方自治体、社会福祉法人、学校、医療施設、食品メーカー、飲食店、大学・研究機関などで講義・講演のほか、レシピ製作や商品開発・プロデュースの実績多数。おからを使った栄養食の指導のためカンボジアでも活動。一般社団法人Chefoodメンバーとして食育活動にも携わる。

  • NHK「あさイチ」「かんたんごはん」、NTV「スッキリ!」などのテレビ番組やラジオ番組への出演多数。
  • 著書「おから、豆腐、豆乳、野菜のお菓子」、「これがおから?なDailyレシピ」(共に文化出版局刊)、「かけるだけ!まぜるだけ!おからパウダー」(日経BP刊)など。